介護福祉士国家試験に新たに導入される「パート合格(合格パートの受験免除)」制度について

今年度の介護福祉士国家試験に新たに導入される「パート合格(合格パートの受験免除)」制度について、厚生労働省の資料に基づき詳細をまとめました。
1. 制度の概要と導入時期
この制度は、介護福祉士国家試験を複数の科目のグループ(パート)に分け、一定の合格水準に達したパートについて、翌々年までの試験で受験を免除する仕組みです。
導入時期: 令和7年度(2026年1月実施予定)の第38回国家試験から導入されます 。
目的: 介護人材の不足(2040年度までに約57万人の追加確保が必要)や受験者数の減少に対応するため、働きながら学ぶ受験生や外国人受験生が学習を進めやすくし、受験の利便性を高めることを目的としています。
2. 試験の分割(3パート制)
試験科目は、学習の取り組みやすさや利便性を考慮し、以下の3つのパートに分割されます。
パート | 主な構成科目 | 出題数 |
Aパート | 人間の尊厳と自立、介護の基本、社会の理解、人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、生活支援技術 | 60問 |
Bパート | こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア | 45問 |
Cパート | 介護過程、総合問題 | 20問 |
3. 受験方法と再受験のルール
初回受験時: 必ず全パートを受験する必要があります。
再受験時(合格パートがある場合): 受験者の希望により、「不合格パートのみ受験」するか「全パートを受験」するかを選択できます。
不合格パートの扱い: 再受験の際、合格していないパートの受験は必須となります。
4. 合格基準と有効期限
介護福祉士としての質を維持するため、厳格な基準が設けられています。
合否判定の流れ: 全パート受験者の場合、まず全体の総得点で合否を判断し、不合格だった場合に各パートごとの合否が判定されます。
合格の条件
全体合格: 総得点の6割程度(難易度で補正)以上、かつ全科目群で得点があること
パート合格: 全体の合格基準点を平均得点比率で按分した点数以上、かつそのパート内の全科目群で得点があること。
有効期限: パート合格の有効期限は、合格した年の翌々年(2年間)までです。期限内に残りのパートに合格すれば、介護福祉士の資格取得となります 18。
5. 注意点(資格・費用・当日)
「パート合格」の資格: パート合格者はまだ「介護福祉士」ではありません 19。そのため、介護福祉士としての配置基準や報酬算定には含まれません。
受験手数料: 全パート受験でも、一部パートのみの受験でも、事務手続きの内容が大きく変わらないため、金額は一律(18,380円)です。
試験当日のスケジュール: 1日間で実施されます。午前中にAパート、午後にB・Cパートが実施され、一部パートのみの受験者は、自身の受験科目終了後に退出する形になります。
6. メリット
この制度(パート合格)の導入による受験生の主なメリットは、以下の通りです。
学習の負担軽減と効率化
一度合格したパートは翌々年まで受験が免除されるため、次年度は不合格だったパートの学習に集中できるようになります 。
仕事と学習を両立させる必要がある実務経験ルートの受験者や、専門的な学習に加えて日本語学習も必要な外国人受験者にとって、学習の取り組みやすさが向上します 。
個人の状況に合わせた柔軟な受験計画
「不合格パートのみを受験」するか「(得意科目を活かすために)全パートを再度受験」するかを自分で選択できるため、一人ひとりの状況に応じた学習・受験の選択肢が広がります 。
全パートを再度受験して既に合格したパートに再び合格した場合、そのパートの有効期限を延長(更新)することも可能です 。
心理的・時間的なゆとり
一度にすべての科目に合格しなくても、一部のパートを合格させておくことで、数年かけて段階的に全パート合格(=国家試験合格)を目指すことが可能になります 。これにより、一度の不合格ですべてがリセットされるこれまでの仕組みに比べ、受験の継続がしやすくなります 。
7. デメリット
費用面
一部のパートが免除され、受験する科目数が減ったとしても、受験手数料は全パート受験と同じ「18,380円」かかります。
理由: 受験申込の受付、試験会場の確保、合否判定、合格証の交付といった事務手続きの内容が、全科目受験の場合とほぼ変わらないためとされています。
注意点: 1年で全パート合格できれば1回分の費用で済みますが、2年、3年と分けて合格を目指す場合、受験回数分の手数料が発生し、トータルの費用負担が増大します。
「パート合格」の有効期限(2年間の壁)
パート合格には有効期限があり、「合格した年の翌々年まで」しか有効ではありません。
リスク: 期限内に残りのパートを合格できないと、せっかく合格したパートの権利も消滅し、最初からやり直し(全パート受験)になってしまいます。
8. 合格基準の厳しさ(「0点」の科目があると不合格)
パートごとに分割されたとはいえ、合格のハードルが下がったわけではありません。
科目群の制約: 各パートは複数の科目で構成されていますが、その中の1つの科目群でも「0点」があると、パート全体が不合格となります。
例: Aパート全体の得点が高くても、その中の「社会の理解」が0点であれば、Aパートは不合格と判定されます。
9. 【経験者が教える】介護福祉士試験で実力を出し切るための3つの鉄則
私は、パート合格前の介護福祉士試験を受験しました。今考えると一発合格しなければというプレッシャーはとても大きかったんだと感じています。新制度で「パート合格」が可能になったとはいえ、長丁場の試験による疲労とプレッシャーは今も昔も変わりません。最高のパフォーマンスを発揮するために、以下の3点を意識しましょう。
「万全の体調」こそが最大の武器
試験は体力勝負です。感染対策を徹底するのはもちろん、直前の詰め込みよりも「数日前からの睡眠確保」を優先してください。脳の疲労を最小限に抑えた状態で当日を迎えることが、ケアレスミスを防ぐ一番の近道です。
「リラックス」して本来の力を解放する
緊張は実力を半分にしてしまいます。試験会場の雰囲気に飲まれないよう、自分なりのリラックス法を準備し、緊張の要因を一つひとつ取り除いておきましょう。心が落ち着いていれば、難しい問題に直面しても冷静に対処できます。
「満点」を捨て、「合格」を拾いに行く
勉強をしていない難問に遭遇します(断言)しかし、焦る必要はありません。それらは他の受験生にとっても同じです。難問に固執して脳を消耗させるのではなく、「思い切って後回しにする」勇気を持ってください。目的は満点ではなく、合格基準を超えること。そう割り切ることで、心に余裕が生まれます。
皆さんの合格を心よりお祈りしています。
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